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天気の子感想。これが2019年の新海誠なんだな。という感じ

こんにちは。

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この記事は完全にネタバレを含みながら勢いのまま書きまくったものです。
天気の子の本編未視聴の方や、ネタバレが嫌いな方は、読まないで下さい。

さて、2019年7月19日(金)の午前0時、世界最速上映に当選したのでTOHOシネマズ新宿で鑑賞させていただきました。
実は19日の24時から公開だとずっと勘違いしていて、当日のお昼にギリギリ気づいてローソンに駆け込み、発券し、観に行きました。
「翌日は土曜日だから余裕だろwww」と思っていたところにこれだったので、金曜日はかなり死にながら仕事をしていました。充実した眠気でしたが。

また、上映後にサプライズで新海誠監督と野田洋次郎氏が舞台挨拶をされて、非常にびっくりしました。
新海誠監督なんて、自分の後ろの列に座って一緒に鑑賞されていましたからね。驚き。

ちなみに、秒速5センチメートルと言葉の庭と君の名は。を一緒に観てきた彼女と別れたので、今回の天気の子は完全に一人で観ました。

では以下、ネタバレを含みながら感想を書いていこうと思います。

 

結論3行と前提

①期待値は超えてきませんでした。

②ただ、良いか悪いかで言うと「良い」です。

③とはいえ、素直な感想は「2019年の新海誠は、こんな感じになったか〜」なので、良い悪いで表すのは難しい気がしています。
 
君の名は。が公開された際にも書きましたが、新海誠作品は「心と心の繋がりが大切。心の繋がりは、現実の繋がり以上の意味を持つ」というメッセージが非常に強いと感じています。
ゆえに、基本的には、心が強く結びついているけれども2人の間には超えられない壁や距離がある、という終わり方をし、心の結びつきをより一層強調するのかなと思っています(雲の向こう、約束の場所 に関しては最後戻ってきますが、やはり心の結びつきがテーマです)。
本当にこの繋がりの描き方が上手いんですよ。
個人的には絶対に現実の繋がりが大切だと思っているのですが、毎度映画を見るたびに心の繋がりの強さを再認識させられて、同時に自分の中で大切にしている現実の繋がりをより強く意識するようになっていました。
本当に上手い。

しかし君の名は。では、「心の結びつきは大切。でもやっぱり現実の繋がり"も"非常に大切だよね」というメッセージを発信してきました。
故に、今回の天気の子を観た上で、新海誠作品は「君の名は。以前と以後」で分類することができると思います。
君の名は。ラストの歩道橋で瀧と三葉がすれ違うシーンでは、「やはりそういう感じね。心の結びつきを大切にしながら、お互いはお互いでそれぞれ生きていくんだね」と思い、胸が締め付けられたのを今も覚えています。
しかしその後、電車の窓越しに再開し、お互いの現実的な繋がりを明確に求め、走り、そして直接再会するに至ります。

今までの新海誠作品を観ながら「心の繋がり大切なのはわかった!!わかったから!でも現実の繋がりも大切だから!!切ない!!!頼む!!新海誠!!!」と思い続けてきた僕のような新海誠ファンは、おそらくこの瀧と三葉の再会シーンで「やっっっっときた!!!!!!この時が!!!!!!」と感じたことでしょう。
 
天気の子でも同様に「現実の繋がり」"も"強調してくると思っていました。
が、全ては終盤の帆高の「陽菜がいい!!!!」の叫びに詰まっていたと思います。
現実の繋がり"も"ではなく、現実の繋がり"が"大切。
こっちに舵を完全にきってきたと感じる映画でした。

では、結論3行を元にして少し細かく書いていきます。
 

期待値は超えてきませんでした

まずここからなのですが、ぼくの中の期待値基準はこの「予報②」で形成されていました。
 
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公開前に他の映画を観に行った際に劇場で目にし、公開直前にテレビCMで目にしたこの予報。
とにかくグランドエスケープの使い方と各キャラクターの台詞の挿入の仕方が神がかっています。
こんなに高揚感がかきたてられる予報があるでしょうか。
RADWIMPSって凄いな。素直にそう思いました。

特に「ねえ、今から晴れるよ!」からが本当に素晴らしい。

「私、知らなかった。青空が欲しい人がこんなにいるなんて!」
からの
「怖くない訳ない でも止らない
ピンチの先回りしたって 僕らじゃしょうがない
僕らの恋が言う 声が言う
「行け」と言う」

からの

「俺はただ!もう一度あの人に!会いたいんだ!」
からの
「愛にできることはまだあるかい」

高まりしかないですよね。
目にするたびにただひたすら鳥肌。ぼくにとってはそのくらいこの予報の完成度が高く、そして期待値を高めまくるのには十分なものでした。

また、グランドエスケープは君の名は。で言うところの前前前世にあたるものなのかなと思っていました。
なので、結構楽しめな場面で使われるものかと勘違いしていました。 

なので、この爆上がりした期待値を持って世界最速上映に向かったのですが、「あれ、序盤でグランドエスケープ使われないんか!!!」で拍子抜けから始まってしまいました。
このグランドエスケープ、君の名は。でいうところのsparkle的な立ち位置だったんですよね。 

予報で爆上がりしたこの期待値、なかなか超えるのは難しかったです。
あーーー、予報を一度も目にすること無く鑑賞できたらまた違ったんだろうな!!!!! 

ただ、良いか悪いかで言うと「良い」です。

「賛否が分かれる」という意見もありますが、どちらかというと「どちらかと言うなら、まあ、良いんじゃない?最高の新海誠ではないけど。。。」という感じが個人的には強いです。
とはいえ、良いです。

まず何よりも、今回も現実の繋がりを大切にした終わり方だったのが、個人的に評価が高いです。
今回は「ヒロインをとるか世界の秩序をとるか」という選択の物語でもあるんですよね。
なので、「心の繋がりがやっぱりマジで大切。だから陽菜と帆高は離れ離れで。でも天気でお互いを感じられるよん」的な終わり方も想定できたわけで、本当に本当に良かったです。

そして印象的なのが「天気なんて、狂ったままでいいんだ!」という帆高の意思。
雨が降り続けて世界はおかしくなってしまったけれども、でも好きな人が現実の繋がりをもってそこに存在している。
良い良い。

また、今回の作品は色んなところに現実の繋がりを意識させるワードがあったなと思いました。
例えば須賀とその娘の親権や家出少年としての帆高のお話。これは法的な人と人との繋がりなのかなと。
あとは陽菜のご近所の「さすがに二人暮しはねぇ……」てきな余計なお話や凪くんと同級生の女の子との関係性など。これはコミュニティの人と人との繋がりなのかな。
ひとまず、ひたすら人との現実の繋がりを意識させられる物語だったと思います。
ぼくはやはり現実の繋がりが大切だと思うので、嬉しくなっちゃいました。

人柱の設定も面白いと思いましたが、あの雲の上の世界は何なのでしょう。
感覚としては、「雲の向こう、約束の場所」みたいに、ヒロインの夢の世界が平行世界で現実に影響を〜…のような感じなのかな?と思っています。

 例えばこんな考え方もできます。
基本的には世界は1つではなく、複数存在している。
帆高達のいる世界Aでは人が暮らしており、雨は降り続けるものである。
一方で世界Bでは人は暮らしておらず水の生き物が暮らしており、雨は降り続けるものではなく雨(水自体)が生命そのもの。だが雨は世界Aから供給される。
人柱は祈ることで限定的に世界Aと世界Bを繋ぎ、世界Bにとって必要な雨(水)を世界Aから移す作用を持っている。
ただし、世界同士の繋がりは、何かの供給側(世界A)からしか繋ぐことができない。また、繋げすぎると、人柱自体がその繋がりという概念自体になって需要側(世界B)に飛んでいってしまう。
概念としての繋がりが確立されるので、以降雨は安定的かつ適度に世界Aから世界Bに移っている。
でも今回は人柱で概念化した陽菜を帆高が世界Aで祈って世界Bにぶっ飛んで連れて帰ってきたので、雨を移す作用が無くなった。
そのため世界Aでは雨の供給過多で、おそらく世界Bでは雨の供給が無くなり大変なことになっている?
みたいな!想像が膨らんで結構楽しいですあの世界観。
せーので大地を蹴ってここではない星へ、ですね。
新海誠異世界(並行世界)好きですし。

 声の演技もかなり良く、正直全く期待していなかった本田翼も結局特に違和感なく観れました。
予報の「キミノソーツォードォーリダヅォ」は本当にヤバかったですが、安心しました。
特に陽菜を演じた森菜七の声が素晴らしく、「ねえ、今から晴れるよ?」の台詞だけで好きになってしまいました。
素晴らしいキャスティングです。

あと、背景美術、とくに空の描写は本当に凄まじく良かったです。
今回は気象監修として雲研究者であり気象庁の研究官である荒木健太郎氏も参加しており、非常に細かい描写に目を奪われました。
特に、個人的に、上空から宇宙空間に向かって放たれる雷が非常に非常に印象的でした。アニメで描かれているのを見るのは、多分初めてです。
これは「巨大ジェット」と呼ばれる現象なのですが、われわれが普段目にする雷の何倍も巨大な放電現象で、とてもすごい現象です。

ただ、最高だったかと問われると、微妙なところ。
いまのところ
君の名は。>秒速>言葉の庭≧天気の子>ほしのこえ>空の向こう、約束の場所>星を追う子ども
正確な評価は、あと2回くらい見ないと下せない気がします。

とはいえ、素直な感想は「2019年の新海誠は、こんな感じになったか〜」なので、良い悪いで表すのは難しい気がしています。

まず、大衆向けエンタメに振ってきたな!というのが鑑賞後に強く感じたことです。
新海誠らしさを残しつつ、君の名は。でつかんだ大衆向けの感覚をより一層強くしてぶつけてきた作品だと思います。
ただ、迎合ではなく、新海誠の進化なんだろうなとも思うので、喜ばしいことなんだと思います。
あと、ストーリーに君の名は。ほどの軸がないのは、これは今までの新海誠っぽいなと思いました。

世界がハチャメチャになりながらも、それでも前に進んでいこうとする姿勢。
自分の意思を持って、世界がどうなったとしても、「陽菜がいい!!!」でつかみ取っていく姿勢。
この帆高というキャラクターの心の強さと明るさが、狂おしいほどに元気で、今までの新海誠作品をぶっ飛ばしていく生命力を持っていたと思います。

湿っぽい独白ではく、力強い自己発信。行動。
全て非常に素晴らしく気持ちの良い主人公でした。

これが今の新海誠作品の主人公なんだな、と。
僕だけが、僕たちだけが、世界から切り離されてしまっている。。。そんな感じが一切なく、本当に気持ち良い、すがすがしい作品でした。
ほしのこえが公開された2002年当時と比べて、WEBが発展して人と人のコミュニケーションはかなり密になりましたし。
いずれにせよ、これが今の新海誠作品なんだな、というのが感想です。
まだまだ進化しますね。

一方で、少し話が変わりますが、とはいえ「君の名は。」を意識し過ぎじゃない!!!?という思いがあります。
パンフレットのインタビューでも語っていましたが、テンポやテンションからところどころ君の名は。の香りがしました。
もっと遠くのもっといろんな人に届くように丁寧に作っていった、という感じが随所にちりばめられており、良くも悪くも大衆の目を意識した作りになったなという感じです。

君の名は。でいうところの百香里先生的な出演の仕方だったらよかったのですが、瀧や三葉が帆高と会話するまでの出番がでてくるのはどうなの?と思ってしまいました。
正直、これはやってほしくなかったです。
ぼくの心は冷えっ冷えでした。
何でかわかりませんが。

全てひっくるめて、「2019年の新海誠は、こんな感じになったか〜」。

そんな感じ!

また明日観てきます。

ではでは、ば~い!